モノのインターネットはビッグ ブラザーの再来か

長年、私のPCはXP上で動いてきました。Microsoftが誇る最も堅牢で安定している不屈のオペレーティング システムです。何年も乗りに乗って、走行距離計が32万キロに達してもまだ走れた私の愛車ダッジ アスペンによく似ています(まさに当時のEnergizerです)。しかし、私が愛したグリーンのツートンカラーに塗り分けられたこのガス食い虫も、ついに買い換えなければならなかったように、私のタワーPCも(Microsoftのパッとしないレビューにも関わらず)後継のWindows 7、Windows 8、そしてWindows 10に換えなければなりませんでした。そのインストール中に、私と家族のプライバシーがどのようにして突然露呈し、どの程度のリスクにさらされるかに気付きました。

それはすべて、Microsoftのプライバシーに関する声明に由来します。この声明は、私がWindows 10を購入したときにデフォルトで同意し、エンド ユーザー ライセンス契約を締結したもので、次のような文言が含まれていました。

Microsoftは効率的に業務を行い、サービスでは最高の利用体験を提供するために個人情報を収集しています。ユーザーがMicrosoftアカウントを作成する際、Bingへ検索クエリーを送信する際、Cortanaに音声コマンドを行う際、文書をOneDriveにアップロードする際、サポートにご連絡いただく際など、直接個人情報を弊社に提供していただきます。その一部は、お客様が弊社サービスをどのように利用しているかを記録することで入手します。そのための手段として、たとえば、Cookieなどの技術を使用したり、お客様のデバイスで実行されているソフトウェアからエラー レポートや使用データを受信したりします。また、(他社を含む)サード パーティからデータを入手することもあります。 

おぉ、非常に具体的です。次のようにも書かれていました          

ユーザーの同意の下、または取引を完了する、またはユーザーが要求した、または認証したサービスを提供するのに必要な範囲で、弊社はユーザーの個人情報を共有します。また、弊社はMicrosoft 関連会社、子会社、および代理で業務を遂行するベンダーと、法律により要求される、または法的手続きに対応する際に、またはお客様を守るため、命を守るため、サービスのセキュリティを維持するため、およびMicrosoftの権利または財産を守るために個人情報を共有します。 

言い換えると、Microsoftの顧客としては、サービスをどのように利用してもプライバシーなどないということです。実際にこの使用条件によると、同社にとっては、ユーザーの行動から収集したデータを集約して処理し、同社が望む任意の対象として、子会社、ベンダーなどの他、同社が必要とみなせば、法的執行機関にも配布することが解禁されたのと同様です。

これはほんの一例で、インターネットの危険性という氷山の一角に過ぎません。SHODAN(Sentient Hyper-Optimized Data Access Network)に関する最近のこの投稿について考えてみましょう。SHODANはインターネット接続デバイス(たとえば、IoTなど)を対象とするオンライン「検索エンジン」です。

投稿に書かれているように、ShodanはGoogleのスパイダー ボットのようにネットをクロールし、サービスに入り込み、そこで見つけたものを記録した上で、検索可能な索引を生成します。

これは必ずしも悪いことではなく、ホーム ルーターにハッカーを寄せ付けないようにする場合などに特に有効です(これが発生する原因と手法はこの投稿に書かれています)。しかし、このような公開によって、あらゆる種類のいたずらに対してルーターを開放してしまうことになります。

最もおぞましい結果として考えられるのは、設置したWebカメラにインターネットからアクセスされることでしょう。ShodanはWebカメラを発見して索引化し、ログイン プロンプトさえも記憶できます。子供部屋に設置したWebカメラを通じて不審者が「盗聴」したり、家の中の別の場所を盗み見たりする不気味さを想像してみてください。案の定、Shodanで最も人気がある上位5位の検索のうち、3件がオンライン カメラに関するものです。したがって、すべての条件が揃った上、使っているオンライン カメラが十分に安全でなければ、Shodanはオンライン カメラに侵入し、子供部屋や、もしかしたらあなたの寝室からライブ フィードを直接送信できてしまいます。

私たちのプライバシーは、インターネットからのリスクにさらされていると考えられます。では、このようなプライバシー侵害をまったく新しいレベルに引き上げる可能性のある、モノのインターネットではどうなるでしょうか。次のような例について考えます。

Microsoft Xbox。このKinectデバイスにはビデオ カメラとマイクロフォンが搭載されていて、ユーザーのやり取りを取得して記録し、同社に送信することができます。実際に、この製品の使用条件には、デバイスの使用時は「ユーザーはどのレベルのプライバシーも期待すべきではない」と明記されています (どこかで読んだ記憶はありませんか)。

Verizon。同社は定性的なターゲティング広告の精度を高めるために、薄型テレビやDVRに組み込んで「環境アクション(ambient action)」を監視するカメラの特許を取得しようとしました。つまり、ユーザーの挙動を逐一観察して、ユーザーが次回のコマーシャル タイムに興味を示しそうな広告の種類を決める仕組みです。

Google。  同社は2014年、サーモスタットに接続されたモノのインターネットを扱うNestを30億ドル以上で買収しました。スマートフォンを使用してリモートからサーモスタットを設定し、屋内でのエネルギー消費を効率よく管理したり、煙や一酸化炭素の警報を受信したりすることが本来の目的ですが、このデバイスはプライバシー問題について、「ハチの巣をつつくような」騒ぎを引き起こす非常に現実的な可能性があります。これには、毎月の電気料金をGoogleが把握して毎日の行動に基づくプロファイルを作るという無害なものも含まれますが、悪用すれば、ターゲティング広告に影響を与えるだけでなく、留守宅の安全性に関して非常に現実的なリスクを与えることになってしまいます。

「スマート」街灯。米国の3都市(シカゴ、デトロイト、ピッツバーグ)では、エネルギー管理とセキュリティを補助する目的で、いわゆる「スマート街灯」(ハイテクを駆使した街灯)が設置されています。しかし、この街灯はストリート上の人々の行為を監視することもできます。広く一般市民に向けて放送を流すことも可能です。また、テロ対策の時代にふさわしく、通行人を監視して会話を記録する機能さえも持っています。

これらのすべてのことが、ジョージ・オーウェルの往年のディストピア小説「1984」に似ていると思う人は少なくないはずです。  私たちはテクノロジーによって生活を向上させ、ものごとを簡単にしたいと望んでいますが、その利便性を得るために、どれぐらいのプライバシーを進んで犠牲にすればいいのでしょうか。オーウェルの小説の結末で、アンチ ヒーローのウィンストン・スミスは「ビッグ ブラザー」を愛するようになりましたが、私の気持ちはこれとは異なります。これまで簡単に紹介してきたように、モノのインターネットによるプライバシーの侵害があるとすれば、私はこのような特殊な感情を抱くことは当分の間ないでしょう。

 

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